レーザーの種類と治療の目的を確認する
歯科では、むし歯、歯周病、口の粘膜などの処置にレーザーを使うことがあります。Er:YAGレーザーは、歯の硬い組織への処置に使用できる種類の一つです。ただし、歯科用レーザーならどれでも歯を削れるというわけではありません。機器ごとの性質と使用目的に合わせて選ぶ必要があります。
むし歯の治療では、深さや位置、周囲の詰め物などによって、レーザーを使える範囲が変わります。形を整えたり修復したりするために、ほかの器具を併用することもあります。歯ぐきや歯周組織への処置でも、どの部分に何を目的として使うのかを具体的に説明してもらいましょう。
治療を考える順序は、機器を選ぶことよりも、症状の原因と必要な処置を明らかにすることが先です。レーザーを導入しているか、希望する治療に対応できるかは施設によって異なります。予約時に確認し、診察後に自分の状態に適しているかを相談してください。
痛みや治療効果には限界がある
レーザーを使うことで振動などの不快感が少なくなる場合はありますが、必ず無痛、麻酔不要になるとは限りません。治療する部位や深さ、炎症の状態、痛みの感じ方によって対応は異なります。治療への不安や以前の経験を伝え、必要な麻酔と、途中でつらくなった場合の合図を相談しましょう。
「レーザーなら歯を削らない」「抜歯を必ず避けられる」とは言い切れません。歯を残せるかは、破折、感染、残っている歯や支える骨の状態などで判断します。また、レーザーを使えば治療時間や通院回数が必ず短くなるわけでもありません。機器の印象と、実際に期待できることを分けて考える必要があります。
歯周病では、歯垢や歯石への対応と日々の清掃が基本になります。レーザーを追加する場合も、それだけで普段のケアや継続的な管理が不要になるわけではありません。どの段階で使い、何の改善を目標とするのか、ほかの方法と比べてどの程度の根拠があるのかを確認しましょう。
目の保護と、治療前後の注意事項を守る
レーザー治療では、目や周囲の組織を守るための安全管理が欠かせません。渡された保護眼鏡は指示どおりに装着し、照射中に外したり、光を見ようとしたりしないでください。熱などによる組織の損傷を避けるには、機器に応じた設定と適切な使い方が必要です。違和感や痛みがあるときは、我慢せず担当者に知らせます。
治療前には、妊娠の可能性、持病、服用中の薬、体内に入っている医療機器などを伝えてください。注意事項は使う機器と処置によって異なるため、ほかの治療で問題がなかったという理由だけで省略しないことが大切です。薬の中止や変更が必要かどうかも、自己判断せず医療者に確認します。
治りにくい口内炎、赤色や白色の粘膜の変化、しこりなどがある場合は、レーザーで繰り返し処置する前に原因を調べます。必要なら検査や専門科への紹介を受けます。処置後は、食事、清掃、薬についての指示と、出血や痛みが続く場合の連絡先、次回の確認時期を把握しておきましょう。
費用とほかの治療法を比較して選ぶ
保険の取り扱いは、レーザーという機器名だけでは決まりません。病気や処置の内容、適用条件によって異なり、自費診療になる場合もあります。説明では、レーザーの処置料に加え、検査、麻酔、併用する治療、複数回の処置にかかる費用を確認してください。
治療効果を示す情報を見る際は、どのレーザーを、どの病気に、どのような方法で使った結果なのかが重要です。別の機器や異なる条件での研究結果を、そのまま自分の治療に当てはめることはできません。良い面だけでなく、効果が不確かな点や起こり得る不利益も含めて説明を受けましょう。
レーザーを使わない方法も含めて、治療の目的、必要な処置、費用、通院の見通しを比較します。納得できない点があれば、治療を始める前に質問してください。機器の新しさだけで選ぶのではなく、自分の歯や口の状態に合った治療かどうかを判断することが大切です。
静岡歯科での受診・通院について
治療の選び方で迷っている方や、複数のお悩みをまとめて相談したい方も、現在の状況をお聞かせください。静岡歯科では診察・検査の結果をもとに、お口の状態と治療の選択肢をご説明します。
県内の別の医療機関で治療中の場合は、その経過もお伝えください。資料や検査結果をお持ちの方は、予約時に持参するものをご確認ください。相談の範囲や追加の検査、今後の受診先については、状態に応じてご案内します。
持病や服用中のお薬、医科での検査結果がある方は、予約時にお知らせください。診療内容によっては、かかりつけ医への確認や専門の医療機関への紹介が必要です。
よくあるご質問
レーザーを使えば、麻酔は必要ありませんか?
麻酔が必要な場合もあります。処置の部位や深さ、炎症の状態、痛みの感じ方に応じて判断します。痛みへの不安は治療前に伝えてください。
レーザー治療なら、抜歯せずに歯を残せますか?
機器だけで歯を残せるかが決まるわけではありません。歯の破折や感染、支える骨などを調べ、保存できる見込みと必要な処置を判断します。

日本歯科グループ代表
早川 好昭