治らない、繰り返す、形が変わる場合は相談する
口の中の傷には、頬や舌を噛んだ刺激、入れ歯の接触、アフタ性口内炎など、さまざまな原因があります。しかし、見た目が似ていても同じ病気とは限りません。傷が治らない、同じ場所に繰り返す、しこりを感じる、こすっても取れない白い部分や赤い部分がある、出血が続く場合は、痛みが少なくても診察を受けてください。
受診時には、いつから、どの場所に、どのような変化があるかを伝えます。撮影できる範囲の写真は経過を説明する助けになりますが、確認のために何度もこすったり押したりする必要はありません。新しい入れ歯や詰め物の後にできた傷でも、調整後に改善しない場合は、ほかの原因を含めて調べます。
強い痛みで水分や食事が取れない場合は、早めに医療機関へ連絡してください。広い範囲の水ぶくれ、発熱、皮膚の発疹を伴う場合も、口の中だけの問題と決めつけないことが大切です。息苦しさや飲み込みにくさがあるときは、通常の予約を待たず、緊急の対応を受けます。
歯や装置の刺激、体調、薬の情報を伝える
入れ歯、矯正装置、仮歯などが当たっている場合は、装置を扱う歯科へ相談します。自分で削る、接着剤で直す、無理に押し込むことは避けてください。矯正用ワックスなどの応急的な保護も、担当者の案内に従います。インプラント手術後の傷は、通常の口内炎と思い込まず、腫れや膿、痛みの経過を手術した歯科へ伝えましょう。
口の乾燥、栄養の偏り、感染、全身の病気、薬の影響などが関係することもあります。最近始めた薬やがんの治療、発熱、体重の変化、口以外の症状も診察の参考になります。「ビタミン不足だろう」と決めつけたり、原因と思った薬を自分で中止したりせず、医科での治療内容も共有してください。
市販の塗り薬、洗口液、貼り薬を使っている場合は、製品名と使用期間を伝えます。一時的に痛みが軽くなっても、原因が解決したとは限りません。刺激の強い消毒薬を繰り返し使うなど、かえって粘膜を傷つける対応は避け、長引く場合は薬を使い続ける前に診察を受けましょう。
必要に応じて検査や専門科への紹介を受ける
診察では、傷の色や形、触れたときの硬さ、周囲の歯や装置との関係、首の腫れなどを確認します。原因を判断するために、組織の一部を採って調べる検査や、専門科での評価が必要になることもあります。検査を勧められた時点で、がんと決まったわけではありません。
多くの口内炎ががんというわけではありませんが、口腔がんが潰瘍や赤白い粘膜の変化として現れることはあります。たばこやお酒の習慣がなくても、長引く異常を放置しないことが大切です。検索した写真との比較だけでは区別できないため、実際の診察で確認してください。
経過を見る方針の場合は、次の診察時期と、早めに連絡すべき変化を確認します。紹介を受けたら、検査の予約だけでなく、結果を聞く日程も把握しておきましょう。痛みがなくなった、見た目が変わったという場合も、予定された確認を省いてよいかは担当医に相談してください。
診察までの刺激を減らし、再発の原因を探る
痛む間は、熱すぎる物や刺激の強い食べ物を避け、食べやすい硬さと温度に調整します。水分を取り、傷を強くこすらないようにしながら口を清潔に保ちましょう。入れ歯を装着してよい時間や食事中の扱いは、傷の状態によって異なるため担当者に確認します。食べられない状態が続く場合は、予約日を待たず連絡してください。
同じ場所に繰り返す場合は、尖った歯や被せ物、入れ歯の縁、頬を噛む癖などがないかを調べます。口の乾燥や服用薬の影響もあわせて確認します。その都度痛みを和らげるだけでなく、粘膜を傷つける要因が残っていないかを見直すことが再発への対応になります。
受診時に傷が消えていることもあるため、発症した日、場所、続いた期間を記録しておくと説明しやすくなります。写真を撮れていなくても受診を控える必要はありません。症状の経過と生活上の困りごとを伝え、必要な検査や調整、次に症状が出たときの対応を相談しましょう。
静岡歯科での受診・通院について
治療の選び方で迷っている方や、複数のお悩みをまとめて相談したい方も、現在の状況をお聞かせください。静岡歯科では診察・検査の結果をもとに、お口の状態と治療の選択肢をご説明します。
県内の別の医療機関で治療中の場合は、その経過もお伝えください。資料や検査結果をお持ちの方は、予約時に持参するものをご確認ください。相談の範囲や追加の検査、今後の受診先については、状態に応じてご案内します。
持病や服用中のお薬、医科での検査結果がある方は、予約時にお知らせください。診療内容によっては、かかりつけ医への確認や専門の医療機関への紹介が必要です。
よくあるご質問
痛くない口内炎なら、様子を見ても大丈夫ですか?
痛みの有無だけでは判断できません。治らない傷、しこり、赤白い変化、出血などがある場合は、歯科や口腔外科で確認してください。
インプラント手術後の傷には、市販の口内炎薬を使ってもよいですか?
まず手術した歯科へ確認してください。傷の治癒や感染に関する問題の可能性もあるため、腫れ、膿、痛みの変化を伝えて指示を受けましょう。
参考情報

日本歯科グループ代表
早川 好昭